映画「おおかみこどもの雨と雪」の感想
8/1に見に行って、それからなんだかんだで、やっと感想を書こうかなと思ったですよ。
ここまで引っ張ったのは、なんか消化しきれていなかったのか、それとも感覚的に消化しきってしまったのか、なにか書き残すべきことが思いつかなかったから・・・。
まあ、感じたのは「ある程度歳を重ねていないと滲みてこない来ないんじゃないか」なと。
初めに言っておくと、この作品は「時をかける少女」や「サマーウォーズ」のように短期で事件が起きて派手な解決があるわけではない。
淡々とした日常があり、しかし、おおかみおとこ・おおかみこどもという人に知られてはいけない秘密を隠して生活していくという苦労を見ていく地味な話である。
こういったところが、お子様には向いていないと思うところ。
愛を交わすってところもちょっとあるし。
この映画の流れを大きく区切ると3つ。
・都会編。花とおおかみおとこが大学で出会い愛を育み子をなす。
・田舎引越し苦労編。おおかみおとこが事故で死に、花が一人で子供の雪と雨を育てようとする。
しかし、都会で隠れておおかみこどもの二人を育てるのは難しいと思った花は田舎に引っ越すことを決意する。
人と交ることなく家族が食べられる分だけの野菜を育てていこうとするが、失敗する。
頑固者の近所の爺さんに厳しいながらも、作物の育て方を教えてもらい、そして人々と交わることで生きていけることを悟る。
・田舎生活編。田舎での生活も安定。雪と雨が成長し、活発で野性的であった雪が小学校に通うことで友人たちを得て人として成長する。一方、おとなしかった雨は小学校に馴染めず、しかし山々の自然に目がいき、そこで先生と呼ぶ古キツネとであう。
都会編では、家族もなく幸薄い男女が出会い家族となる、まるでLeafやKeyのゲームのような、今にも消えそうな幸せを二人でつかみ一所懸命育てるというような切ない感じ。
かなりウルウル来てました。
田舎引越し苦労編も、一人でつらい思いをしているところに周りの人が手を差し伸べてくれるというところも、よかったねという感じだった。
でも、それでいておおかみこどもの秘密は貫くというところが気になった。
韮崎のおじいちゃんとかおばちゃんに、苦労したとか愚痴ってもいいんじゃないかとか。あまりにも一人で抱え込みすぎで、孤独だなと・・・。
田舎生活編は、もう子供たちの話。人として生きるか、自然の中で狼として生きるか、その選択(親離れ)と母の子離れを描いているだけのこと。
ここはオイラは経験したことがない(経験することがない?)ところなので、感慨があまりない・・・。
現実では有り得ないよねと思うところが点々とあったところが、ファンタジーな話で辻褄合わせに始終しないでバッサリ切っていったと。そこら辺リアルを追及しすぎると雑味となるし、バッサリ切りすぎると視聴者がん?と疑問に思ってしまう。オイラのアニメ経験がちょっと気にしすぎる傾向になっているのかもしれない。
何て言えばいいのか分からないけど、話の根幹とは乖離している「無駄な現実感」を描く必要はないと判断してあの映画という形になったのかなと、そう思う。
総じて言うと、結構よかった。けどガキンチョが見ても何か得るのは難しんじゃないか、大人にこそ見てもらいたいと思う映画だった。
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