読了：真・無責任艦長タイラー ReMix 獅子と鷲へのララバイ

「本物だな、貴様」

■お勧め度：★★★☆☆
■対象者：真・無責任艦長タイラーが好きな方。吉岡平さんがノッタときのストーリーが好きな方。

無責任艦長タイラーの名脇役ル・バラバ・ドムとコジロー・サカイのそれぞれのサイドストーリー。ドム艦長では噂と艦が出てくるくらい、コジロー・サカイ編では完全にタイラー自身が出てきません。

ル・バラバ・ドム編では、ワングが宮廷を牛耳つつある過程で、ドムが頭角を現して、シア・ハス、アザリンとの出会い、そしてタイラーを好敵手と認めて追いまわすという話。漢（ワングのはなった刺客ラガン）が漢（ドム）に惚れるという話もからめつつ、いかにドムが得難い戦艦乗りであるかということを語っている。

コジロー・サカイ編では、レアメタルを得るために惑星連合とラアルゴンでの奪い合いとなっている惑星上で、分が悪いなかで天才肌のコジローが大気圏内での戦闘機に乗り、暴走した挙句に責任を感じての挫折、そして復帰を描く。

真・無責任艦長タイラーReMix 獅子と鷲へのララバイ (ファミ通文庫) 著者：吉岡 平 販売元：エンターブレイン Amazon.co.jpで詳細を確認する

ドム編は、前にも同じ様なシチュエーションで書かれていなかったっけ？というのが感想。焼き直しだね！いくつかのシーンは本編とリンクするところもあるので、そこを思い出すのもよろし。

コジロー編は、富士見ファンタジア文庫で「大宇宙のサムライ」というコジローを主人公にした外伝もあったけれど、これは（当たり前だけれど）含まれていない話。吉岡平さんは自分の趣味を大いに盛り込むと面白くなる傾向があるけれど、これはその方向を含んでいる。とはいえ、ドム編に比べると半分くらいのボリュームで短め。ドム編が冗長なのかもしれないけれど。

ま、腹ごなしレベルのちょいと読んでおくかレベルかな。