ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド

「ねえ竹田 － あんたは、ピラミッドが創られた本当の理由っての、知ってる？」

■お勧め度：★★★★☆
■対象者：上遠野浩平節が好きな方。一本、芯の通った真実を登場人物とともに巻き込まれて最後に解き明かされるカタルシスを味わいたい方。

大学受験が終わったある時、親友同士の館川睦美と小守時枝は駄弁っていた。その会話に”ブギーポップ”という言葉が上ったことが、物語の始まりであった。この二人の中学時代のクラスメイト真下幹也と出会い、そして強化人間のメロー・イエローと出会い”ブギーポップって何”という疑問を明かすことになる。それにメローの始末の対象である、（３年前に任務に失敗して雲隠れした）合成人間のチームの３人が絡み合い、３年前の始末をつけることとなる。

ブギーポップ・クエスチョン沈黙ピラミッド (電撃文庫 か 7-21) 著者：上遠野 浩平 販売元：メディアワークス Amazon.co.jpで詳細を確認する

話のけん引役がメローで、要因は合成人間のチーム、キーワード”メザニーン”は原因、そして睦美と時枝が巻き込まれてしまうという感じ。
なかなか謎がわからず、それでいて途中に出てくるブギーポップの「もう済んだこと」という言葉が、今、進んでいる現状とは相反していて、頭の中がクエスチョンでいっぱいになる。まんまと作者の思惑に乗せられているんだけど、それがイライラなのかワクワクなのかよくわからないけど、牽引力となっている。
いつもの通り良作であり、快作である。お勧め。