読了:エラントリス 鎖された都の物語 上
「さしあたりはそうかもしれんな。だが、真実は決して滅びないんだよ、サレーネ。ときに人々がそれを忘れることがあっても。」
エラントリス 鎖された都の物語 上を読了。
分類は欧州中世風ファンタジー。
かつて栄華を誇った輝やしい都市エラントリスは、<変容>と呼ばれる現象により人が神のごとく光り輝き不死の存在に変化した人々が住んでいた。しかしある日その<変容>は、悪鬼(またはゾンビ)のようにアンデットのように人を貶めるようになり、エラントリスは腐り汚泥にまみれる汚らしい都市になってしまった。
この物語は、それから十年後から始まる。
主人公は3人。
一人はアレロン王国の王子ラオデン。彼はエラントリスの中の視点を担当する。ラオデンは<変容>により堕ちたる都エラントリスに秘密裏に追放される。そこは無秩序で暴力で支配される世界であった。そこで出合ったガラドンを味方に秩序を取り戻そうと奮闘する。
一人はラオデン王子と婚約したテオド王国のサレーネ王女。彼女はアロレン王国の中の視点を担当する。サレーネ王女は頭が良く挑戦的な性格のため自国では誰にも相手にされず行き遅れとなっていた。そこへ政略結婚でラオデン王子と婚約したのだが、しかしラオデン王子の人柄に引かれていた。アレロン王国に着いたときにはラオデン王子はエラントリスに追放されており、死んだと伝えられたサレーネ王女は、機知によりラオデン王子の代わりにアレロン王国を危機から救おうとする。
一人はアレロン王国をデレス教へと改宗させるために訪れた大主教ホラゼン。彼はこの世界の国々の世界観の紹介を担当する。デレス教はフィヨルデン国の政治もつかさどる強行主義的な宗教である。ホラゼンがアレロン王国に対して3ヶ月以内に改宗できない場合は攻め落とすとの教皇の達しが出されている。ホラゼンは政治的な様々な策略を駆使して改宗を迫ろうとする。
3人のそれぞれの視点からの世界が、堕ちた都エラントリスを中心に描かれていく。
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エラントリス 鎖された都の物語〈上〉
著者:ブランドン サンダースン |
結構ボリュームがあるのだけれど、3人の視点で話が進められることによってダレがなく、どんどん引き込まれる。読むのに時間がかかるけれど、逆に言うと読み応えがある。
上巻では、まだまだ謎は解かれないし、策略は始まったばかり。
早く下巻も読みたくなる勢いです!
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